進出企業インタビューINTERVIEW

東京のビルの中ではなく、地域の人たちと一緒に活動できる
場所を求めて

公益社団法人 青年海外協力協会

理事 事務局長 堀田 直揮 氏

駒ヶ根市

今回インタビューに対応していただいた堀田直揮様。明るい方で、インタビュー以外でも楽しいお話をたくさんお聞かせくださいました。

2018年、東京千代田区にあった本部を長野県駒ケ根市へ移転した青年海外協力協会(JOCA)様。東京のビルの中ではなく、駒ヶ根の商店街の一角に本部を移転したことでより強い地域とのつながりが生まれ、事業の可能性が広がったそうです。

■青年海外協力協会(JOCA)とは?
青年海外協力隊事業(JICA)が協力隊を募集して海外へ派遣を行う中、海外派遣後に戻ってきた帰国隊員で作った組織。協力隊の経験を再度様々な形で活かしていくことを目的として活動。

Q1

長野県へ進出するまでの経緯

私たちJOCAは協⼒隊の経験を活かす形で国内外に、と言ってはいるんですがどうしても海外に関係する部分が大きく、またそういう意識も強かったのですが、この青年海外協力事業というのは国内の方々に認めてもらわないと成り立ちません。

JICA(青年海外協力隊)さんへの参加者が減ってきているとか、事業仕分けの時に活動について厳しい意見をいただいたりとか、国内から評価されていない部分もあるな、と感じたので、では海外だけではなく国内や地域課題に対しても僕らの力を活かしていこうと思いました。

ですがそのころ本部は千代田区のビルの中にあり、「地域」と言ってるにもかかわらず東京のビルにいて地域の人たちとは触れ合わない。

こんなふうに東京のビルの中から「地域」と叫んでいるのも嘘っぽいよね、という話になり本部の移転先を検討し始めました。

-もっと自分たちらしい活動ができる場所、向き合える場所を探したい、というのが移転の経緯とのことです。

Q2

長野県に進出を考えた理由

現在青年海外協力隊の訓練所は、この長野県駒ヶ根市と福島県二本松市の2か所にあります。

この2つの街では地域の方の協力もあり、JOCAに対する認知度も高く、僕らが「JOCAです」と名乗っても不自然じゃない。

このように地域の人たちが普通に受け入れてくれる地域、本部を移転できる地域はこの駒ヶ根市と二本松市しかないね、という話になりました。

そして僕たちの移転の本来の目的、「地域作り」という点から見たときに、市の総合戦略として大使村構想(国際色豊かな街づくり)などを掲げており、JOCAがより協力しやすい環境にあったのが駒ヶ根市だったんです。

ある程度JOCAとしての存在感は出しながら、それでいて出すぎず黒子として地域の人たちと一緒に地域を作っていける、そういう土壌がこの駒ヶ根にあり、最終的に「駒ヶ根しかない」という結論に至りました。

-駒ヶ根市では昔から青年会議所の方からの全面的な協力があったり、市の総合戦略と連携して色々な国際協力をやっていたということもあり、つながりはより強かったそうです

Q3

長野県への進出による効果

現在街の方の協力も得られていますし、JOCAという組織と地域のみんなで一緒に事業作り、街作りをしようという雰囲気になっていますので、当初思っていた通りの形になっていると思います。

東京の中にいてもきっと地域の方とこういう関係を作るのは難しかったでしょうし、駒ヶ根に移転したことで地域の人たちと色々なことができ、新しい仕事の可能性も広がっています。

正直東京の仕事をそのままこっちに持ってきても何の支障もないですし、昔の物を何も捨てずに新しい可能性を広げられたというのは大きいのかなと思います。

-東京に本部があったころ堀田様は千葉から片道1時間半かけて本部に通っていたそうですが、現在の通勤時間は約5分。毎日往復3時間の通勤時間が短縮されたことで大きな時間の余裕が生まれているそうです。

Q4

海外との接点、拠点という意味で都市部に比べて駒ヶ根という立地はどうでしょうか?

特にすぐ海外とつながっていなきゃいけない理由が無いと言うか、東京にいたからといって海外との距離が近いというわけでもありません。

むしろこっちに来て「繋がりたいと思っていた人たちと繋がれるようになった」というメリットの方が大きいです。

確かに交流事業とかやっていて、その人たちが成田に着きました、となると迎えに行くには少し遠いですが、毎日送迎があるわけでもありませんし、東京にも事務所はあるのでデメリットを感じたことは無く、良い面のほうが圧倒的に多いですね。

Q5

地域の方との交流や協力についてお聞かせください

僕ら青年海外協力協会というのは草の根の活動なので、海外に行き、現地の方たちと一緒に住んで、一緒のもの食べて、一緒にやっていくというスタイルです。

東京から来て、その辺のビルの中に入ってコンサルタントのように「商店街はこうあるべきだ」なんてやってもうまくいくはずがないですよね。

皆さんと同じ場所、地域と一番繋がれる場所に行きたかった。

だから実際この街を歩き、商店街の中にある市民活動支援センターであるこの建物を見つけて市の方に「ここを一緒に使わせてもらえませんか」と相談しました。

商店会の一員として、地域の一員として一緒の義務を背負っていく、同じ商店会の悩みを共有しながらみんなで一緒にやって行く。

これが一番大事かなと思います。

そうすると僕らが何も語らなくても地域の方が色々な所で僕らの名前を出してくれて、「JOCAってなに?」「そもそも協力隊ってなに」ということにもつながってきます。

こうした地域とともに活動することで、地域に貢献もでき、また僕たちJOCAの活動も浸透していきますよね。

Q6

行政からも様々なバックアップをしていただいていると伺いました

我々は誘致されたのではなく、こちらから移転をお願いした側だったので、市の方にはその時かなりびっくりされましたが、それ以上に歓迎して頂きましたし、様々な面でサポートをしていただきました。

例えばこの建物についても躯体の改修費用を市で負担してくださったり、移住する職員のために移住支援、家探しのツアー等をしていただいたりと大変手厚い支援をして頂きました。

助成金については県から「本社移転促進助成金」を活用しました。

-また、JOCA様のオフィスは「信州リゾートテレワーク」のモデル地域としても紹介されています。

Q7

長野県に移転を検討されている企業や団体に向けて、メッセージをお願いいたします

長野県を含め、地域に来るメリットとしては「埋もれない」という点です。

それなりに優秀な企業さんでも東京だと埋もれてしまう可能性がありますし、ネームバリューが無いと仕事や人材の獲得に苦労します。

私たちの例で言えば駒ヶ根の中にJOCAがあるという点は、それだけ皆さんとのかかわり方だとか連携というものが生まれやすくなり、ビジネスチャンス含めて事業活動の可能性が東京よりも広がったと感じています。

現在Zoomなどのツールも一般的ですし、東京にいてお客様と対面でないとできないことも少なくなっています。

そうしたデメリットが少ない企業さん、団体さんであれば、ぜひ同じように長野県の地域、そしてできれば駒ヶ根市の商店街に移転してオフィスを構えてもらいたいな、と思っています。

-地方に移転・新設することで「東京の1企業」として埋もれてしまうことがなく、地元企業や地域の人との強いつながり、かかわりが増えビジネスチャンスも獲得しやすくなるとのことです。

 

利用した優遇制度