研究所の新増設を検討している場合
研究開発が何より重要な会社。
研究所の候補地をどう決めるべきでしょうか?
登場人物

Bさん(48歳(男性))
社員数約700名ほどの食品製造業(東京都)に勤務。

ライチョウ博士(4歳(オス))
長野自然大学准教授
県鳥 兼 企業誘致アドバイザー
研究所には研究のための最適な環境を
Bさん
- 健康志向の高まりから、機能性食品の研究開発を進めていきたいと考えています。
この業界は研究開発が会社の命運を左右しますので、一層力を入れるために研究所の増設を考えています。
候補地はたくさんあるんですが、考えがまとまりません。
ライチョウ博士
- 研究所には、研究にふさわしい環境が必要だよね!
そこから考えたらどうかな?
例えば、僕の住んでいる長野県。多くの上場企業などの研究開発施設があって、豊かな自然環境の中でのびのびと研究に励んでいるよ。
Bさん
- うちの会社も、大都市の郊外に研究所を構えていますが、確かに環境面では少し中途半端な気もしますね。
通勤時間も、家が近い人はいいですが、逆方面に住む人にはさらに長くなってしうケースもあります。
ライチョウ博士
- 研究職の人にとって、きれいな空気や水や景観に恵まれた環境は、きっと仕事を離れたときのリラックスにつながると思うよ。通勤時間も短いから、プライベートな時間も充実しそうだよね。
Bさん
- 確かにそうですよね。
でもその理由だけで、たくさんの企業の研究所が集まっているんですか?
ライチョウ博士
- 長野県は、企業への研究開発支援体制も充実してるんだ。
「長野県工業技術総合センター」という、県内企業のための試験研究機関があって、技術的な課題や問題を解決するためのサポートをしてるんだよ。
Bさん
- 具体的には、何をしてくれるんでしょう?
ライチョウ博士
- 例えば、食品技術部門では、食品の機能性評価を行うための設備やノウハウがあるんだ。
開発した新商品の機能性評価をしたい時に相談に乗ってくれたり、職員が分析・評価をしてくれたりするんだよ。
課題解決のために、とにかく全力で取り組んでくれるんだ。
Bさん
- そうなんですか。
県がそこまで企業の研究開発に協力してくれるなんて、ちょっと驚きですね!


研究所の新増設に特に有利な助成制度
Bさん
- 研究所の増設の有力候補地として、長野県も入れて考えます。
ライチョウ博士、ありがとうございました。
それでは、また。
ライチョウ博士
- ちょっと待って! 大切なことを聞き忘れてるよ。
研究所も対象となる長野県の助成金制度があるんだよ。
Bさん
- そうなんですか!?
早くそれを言ってくださいよ…
ライチョウ博士
- 「本社等移転促進助成金」というんだけど、本社だけじゃなくて本社機能を持つ研究所にも適用されるんだ。一定以上の雇用があれば、投資額の要件もないんだよ。
Bさん
- 助成⾦はいろいろとハードルが⾼いと思ってましたが…。
どんな助成内容なんでしょうか?
ライチョウ博士
- 建物や設備等の取得費⽤や賃借料、それから雇⽤に関する経費に対し
て助成⾦が支給されるんだ。⾦額は最⼤3億円だよ。
Bさん
- いやー、それはとてもありがたいですね!
ぜひ申請したいです。
ライチョウ博士
- 喜ぶのは、まだ早いかも。
もし会社が投資額3億円以上の研究所を整備するなら、別の助成金となるよ。
「⻑野県産業投資応援助成⾦」といって、県内で⼀定以上の投資・雇⽤をして、SDGsや温暖化対策関係の認証と、エコアクション21かISO14001を取得すれば適⽤となるんだ。
Bさん
- わが社は、認証関係はもうクリアしてますよ!
ライチョウ博士
- この制度では、最⼤6億円の助成が受けられるよ。
研究所は14%〜16%の助成率で、他の形態と⽐べても有利になってるしね。
Bさん
- 最⼤6億円!すごいですね!
環境についても、私たち⾃⾝つねづね考えていますから、それを取り⼊れた助成のしくみにも共感します。
ライチョウ博士
- 環境問題は、企業と⾏政が⼀体になって推進しないといけないからね。
しっかり対応していかないと、ぼくたちも絶滅しちゃうかもしれないしね。


チェックポイント
- 上場企業などの研究開発施設を多く持つ長野県(過去10年間の研究所の立地件数全国8位)
- 豊かな水と清涼な空気に恵まれた豊かな自然環境で、研究開発業務に最適!
- 県の試験研究機関が、さまざまな側面から企業の研究開発の課題解決をサポート!
- 長野県独自の助成金で、研究所の新増設を支援。